■変化し続ける時代の革新者

1970年、明るく豊かなとなみ野の実現をめざし、となみ青年会議所が創立され50年が過ぎた。半世紀の活動の積み重ねは、その時々の背景の中で、それぞれの時代に適したものとして変化しながら、時間をかけて発達し、永遠の基礎となる「組織文化」として残された。今後の明暗は、自分たちで変化を創り出し、成長しながら、組織を、地球社会をより優れたものにしていくことが鍵となる。

ぼくらは明るく豊かなとなみ野の実現に向けて、より良い変化をもたらす機会を与え続けるという使命を持っている。使命を果たすために必要なことは、自分たちの成長や活動を通し地球社会の発展に寄与し続けることだけだ。変化をすることがますます当たり前となる時代にあって、壮大な使命はいつまでも変わらない。しかし、世界の枠組みが変わるような事態は不意に訪れる。もともと社会構造は常に変化しているものだ。経済、環境、人口・・・様々な場面で社会は変化することが自然であり、その変化により新たな社会課題も生じてくる。そして、ハイスピードで物事が動き、それが絡み合って変化し続ける今の世界では、イノベーションを阻害する規制や法令、縦割り組織等、今までの制度や組織、やり方がうまく機能していないケースも現れはじめている。ぼくらは過去とまったく同じ世界を再現したいのではない。新たに、より良い世界を築いていきたいのだ。成功パターンを繰り返していればうまくいく、経験や継続だけで乗り切れる時代はもう終わった。社会は継続と変化の双方が実現して発展する。ハイスピードに変化が生まれる時代、外から来る変化に対応しているだけでは、自らが望むより良い世界を築くまでに至らない。継続と変化の相克とうまく付き合い、自ら率先して変化を創り出し続けていかなければならない。「変化により生じる課題に対応し解決する」のではなく「変化を自ら創り出して課題を解決していく」組織“ChangeMakers”となろう。

変わらないために変わり続ける。ぼくらは変化のための仕組みをつくり、変化を創り出し続けていく誇り高き革新者となる。半世紀の間築き上げられたこの組織の文化を守るだけでなく、自分たちが成長しながら、より強いものにしていこう。従来のやり方をより良いものにしていくだけではなく、革新的なアイデアを生み出して、それを素早く実践し、新たな時代を築いていこう。ぼくらはそのための力をずっと磨き続けてきたはずだ。

■変化を創り出すための英知

ぼくらを取り巻く世界は柔軟に姿を変え、これまでにないスピードで変化していく。組織であれ、企業であれ、流れについていくだけでなく、周囲の先を行けるだけのスピードで走れなければ存在価値を維持できない。落ち着いてしまうことなく、新しい視点や難しい挑戦を取り入れなければならない。

現代はまさに、価値観の広がりやテクノロジーの発達で、ぼくらの人生そのものが変化している時代だ。そのうえ、世界の枠組みが変わる岐路であり、全ての業界で業態の見直しが必要となるだろう。テクノロジーを活用することは、ぼくらの生活や働き方、生き方をワンランク上へと引き上げ、課題を解決する大きな武器となる。また、社会をより良く変えている価値観や制度、仕組み等を学ぶことは、ぼくらのコミュニティが抱える課題の打開策のヒントとなる。そして、それと同時に生じる新たな社会課題が解決されることで、社会のあり方がアップデートされていく。生き方の選択肢が広がる今こそ、コンフォートゾーンから抜け出し、優れた新しい物事を知り、自分たちの新しい価値観に目覚めなければいけない。知っている範囲、理解している範囲の外側を知ることは、新たな自分に変化すること、新たな自分を知ることは他に変化を与えることに繋がる。自ら変化を創り出し続けるには、新時代の変化とそこから生じる課題を臨機に細かく把握し、インスピレーションを得ていく必要がある。インスピレーションはどこにでもある。それらを観察し、分解し、新しいものに生まれ変わらせ、創造していくのだ。

そのため、ぼくらの活動は英知を養うことから始める。各事業で使命を果たすための目的を明確にしたうえで、世の中の変化をいち早く取り込み、調査、研究を重ね、審議し、変化を創り出す。今現在の「強み」と「弱み」を認識し、理想と現実のギャップを呼び起こし、そのギャップを解消する方策を示すことで、驚きと感動を与えるような活動を行い、地球社会の発展に寄与するとともに、組織と個人の成長につなげていこう。

■革新的なリーダーの勇気

組織文化を強くしていけるかどうかは、活動のすべての面でリーダーたちがいかにこだわりを通せるかにかかっている。リーダーとは、人の心を動かす力を持った、めったにいない人物だ。ただの管理職ならいくらでもいる。使命を果たすため、大切な人を守るために、自分が情熱を感じる活動をつくりあげ、自分がいつまでもいたくなる場所を生み出し、自分が最高に受けたいと思う恩恵を地球社会に提供するのだ。

リーダーの機能は個人の能力や資質によるものではなく、対人的な関係の中で発揮され、育てられるものだ。人と戦略や価値観に関する共感で結びつき、周りを鼓舞し、エネルギーを与えながら、自分たちで戦略をたて、自分たちの価値観に基づいて事業を実施していく、革新的なリーダーが強い組織文化をつくっていく。革新的なリーダーに必要なのは自分とチームが共感でき、社会からも共感が期待できる行動をとること。自分のビジョンから離れず、自分のビジョンに忠実でいなければならない。確固たる芯をつくりあげ、他人の考えに安易に流されるな。自分のビジョンを実現するのに他人を頼ってはいけない。自分の方がビジョンを理解し、気にかけ、実現を願っているはずだ。問題のことを理解しているのも自分だ。理想を曲げず、自分で行き先を決めろ。そして、革新的なリーダーに成長を遂げている間は、常に変化と隣り合わせだ。変化を創り出そうとするたびに未知の世界に飛び込まなければならない。そこにはカオスが待っている。しかし、見えないものを恐れず、足を踏み出せば、二つの結果が生まれる。進むべき先がわかることと、次の新たな行動が生まれることだ。常に正解が出せるわけではないが、動くたびに、思い切って決断するたびに、一歩ずつ探している道に近づいていける。何もしないことは、間違いなく最悪の選択だ。問題など問題ではない。問題に対する人の姿勢こそ、本当の問題なのだ。唯一の問題のありかは、自分で行動を起こせず、何も生み出せない人間の心の中だ。価値があると信じるものには、リスクを冒してでも全力をかけるのだ。

変化のカオスは最後には自分たちの味方になる。限界を超えた分だけ、使命を果たせる可能性が高くなるだろう。革新的なリーダーが変化やイノベーションを率先して組織に取り込み、活動を通じて高次元の欲求を満たすことで会員をやる気にさせ、そのやる気と組織のベクトルを合わせることで目的の達成に結びつけ、さらに強い組織文化をつくっていく。勇気をもって、混沌という未知の可能性を切り拓け。

■組織の情熱が時代を築く

 ぼくらは、共通の使命を持って、お互いにコミュニケーションをとり、目的達成に向けて意欲を持って走る犬ぞりのような集団だ。誰かと一緒に活動すれば、より速く、より巧みに、より鋭くなれる。壮大な旅がおもしろくなるし、重荷を分かち合える。そして、役割を分担し、チームが構築できれば、成長速度は一気に高まる。ただし、使命と情熱を共有できる相手でなければいけない。馴れ合いの中で冒険はできないし、妥協から革新は生まれない。

人が使命に駆られるには自らが帰属するものの一部なのだという感覚が必要だ。その感覚を生み出すために、全員が意思決定に関わり、そのことを自覚できる環境を整えなければならない。何を行うかだけでなく、なぜそれを行っているかまで、知る必要がある。それができてようやく、自分と使命を結びつけ、使命を実現するために精力的に活動するようになる。そして、進むべき方向を合わせなければ前に進むことはない。人は誰でも、道筋を示す地図を必要としている。リーダーはチームを目標達成に導くため、ビジョンと戦略、方法を示さなければならない。リーダーが考えを明確に伝えることが、活動の推進力になる。また、ぼくらと同じく使命と情熱をもった人々とビジョンを共有することで、新たな時代を築いていく活動に大きなうねりを生み出すことができる。困難が立ちはだかるときは、迷わずお互いに助けを求めあおう。人は成功や成長の話だけを求めるが、困難もまた、劣らず重要であり、見失ってはいけない。それから、とにかく楽しむことを絶対に忘れてはいけない。自らの拠りどころとする価値基準なり価値観を明確にし、「好きこそものの上手なれ」という好循環を生み出すスイッチを作動させることで、努力を娯楽化するのだ。使命と情熱を共有し、次の10年、50年と続く新時代に向けての一歩を踏み出そう。

となみ野の情熱に火を灯せ。全員がその気になれば、道を阻むものはない。あとは自分たちを信じて突き進むのみだ。

■豊かさの追求

日本は戦後荒廃からの再建、高度経済成長を経て経済力を押し上げ豊かとなった。その後も社会を発展させ、次のレベルの豊かさを求めている。ぼくらが追い求める「豊かさ」とは何か。

高度経済成長期を経て、経済的に十分に豊かになったはずの日本。今求められる豊かさは、必要以上の財を成すことや、好きなだけのモノを持っていることではない。ぼくらがこの時代に求める豊かさとは、社会や外部環境の在り方そのものではなく、人それぞれの心の在り方を表現する概念だ。日本は生理的欲求・安全欲求のレベルを抜け出し、愛と所属の欲求・他者承認欲求を満たしてきている。それでも何か満たされないのは、自己承認欲求、自己実現欲求が満たされていないからである。他者承認欲求から先に進めずに苦しんでいるのだ。欲求のステップアップ、心が成長することで豊かさを実感できるはずだ。豊かさを極めた人は、絶えず成長し続け、利他行動、他者貢献の欲求が生まれ、他の誰かを豊かにしようとする。他者を豊かにするアイデアを生み出し、実行していく。自己実現欲求を満たした者が社会全体の豊かさを押し上げていくのだ。自己実現欲求を満たすことのできる地域となるには、自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分が成り得るものになれる環境をつくらなければいけない。つまり、挑戦し続けられる地域となることだ。「豊かな地域=理想の未来に向けて挑戦し続けられる地域」と考えると、挑戦に対し寛容で、人々を魅了し、ビジョンと創造性が描けるコミュニティとなることが求められる。豊かになるために、社会や外部環境の在り方に変化を創り出さなければいけないということだ。QOLが高く、挑戦が活発に生まれるとなみ野を目指していこう。

 上に登る階段の段差が小さくて登りやすい。だから挑戦しやすい。挑戦に対しては、個々のステップアップを応援する場と機会が用意されているべきだ。挑戦する精神を有し、他者の挑戦も受け入れ、応援する地域へ。豊かで生きることが楽しめるまちを追求しよう。

■未来をつくる

この先も何が起こるかわからない。未来に備える一番の方法は、自分たちで未来をつくることだ。ぼくらの未来は子供たちに託すものであり、自分たちが今まで受けてきた恩恵をより良くし、子供たちに引き継いでいくべきである。

 子供たちに託す未来。それは全ての人が今よりずっと安心で、豊かに暮らせる世界でなくてはいけない。悔しくも、世界中で両親の世代よりも子供の世代が貧しくなる現象が起きてきている。今の世界の自然環境は過去よりもずっと悪い。そして、差別や誹謗中傷、敵と味方を分けて徹底的に攻撃しあうような風潮が世界中にあふれている。虐待、いじめ、自殺等の報道がされるたびに、激しい憤りを感じる。どうすれば未来への不安を取り除き、人々の成長の選択肢を増やし、可能性を広げることになるのか。ハード、ソフト両面で、全ての人が安心で豊かに暮らせる、より良い未来をつくるため、真剣に向き合っていこう。SDGsはそのための一つの目標だ。経済・社会・環境の調和を鑑み、自分たちのやることが世界の未来へ与える影響を理解し、全ての行動、活動、運動の中で概念に基づいた選択をし、アクションを起こそう。SDGsの理念である、誰一人取り残さない社会の実現には、損得抜きにして自分以外の誰かを思いやれる心が必要だ。反対に、恨みや妬みといった感情は差別や虐待を生み、人権に配慮した社会の実現を阻害するものである。負の心をコントロールし、負の心に立ち向かうため、ぼくらは児童期から子供たちの精神面を養う鍛錬を行う。日本の武道である相撲には今でも武士道の精神が根付いている。礼節を特に重んじる性質だが、決して堅苦しいものではなく、相手に素直な気持ちを伝導させるだけの力がある。敗者でありながら勝者をたたえる。勝者も敗者に対し、礼をもって勝利を喜ばず対応する素晴らしい態度がある。その相撲を通じ、子供たちの健全な道徳心をつくりだしていこう。

 未来を我が事とし、より良い未来が来ると信じるだけではなく、その未来を自らの手でつくっていこう。今までも未来は、まぎれもなく誰か人間の手によってつくられてきた。

■つながり続ける

ぼくらの組織は、人を集めることが目的ではない。目的を果たすために、多くの人を巻きこみムーブメントを起こせるよう、人を集め、共に学ぶ必要があるのだ。

ムーブメントを起こすには、人と人がつながる必要がある。そして、そのつながりをつくり出す同志が多ければ多いほど大きなムーブメントを起こせる。人がつながるということは、その間に共感と協働がある状態だ。共感と協働があることで、そこから新しい価値や考えが生まれる。となみ青年会議所は人がつながり続けるコミュニティであること「つながりの集積地」でなければいけない。全会員が全活動を通して社会との共感と協働を生み出すことで、ムーブメントを起こすことができる。“となみ野を”良くしようではなく、“となみ野から”富山を、日本を、世界を良くしようと考え活動することで、世界へ共感と協働が広がっていくはずだ。多くの共感と協働を生み出すことで、新たな仲間が加わり、共に共感と協働を生み出せる同志へと成長してもらうことで、つながりは途絶えることなく広がっていく。オン・ボーディングで、ぼくらの使命を彼らの心にインプットすることで、彼らは自分たちが今後も築き上げていく文化を完全に自分のものにできる。彼らの志に命を吹き込めば、彼らもこちらのビジョンに命を吹き込んでくれる。共に共感と協働を生み出し、今後の組織文化を築き上げていく心強い同志の誕生だ。多様な同志とつながり、世界を広げよう。

共感と協働を生み出すために重要なのは、活動への熱量だ。生み出そうとする自分が熱量をもてないと、それが相手にも伝わってしまい、何より自分自身も活動を続けていくことが難しくなる。この世界には様々な人がいて、その数だけ意見がある。異なる感性や感覚があって感情がある。人は違って当たり前。多くの人に認められることを考えるのではなく、自分が心からワクワクする活動を続け、本物の共感を得る必要がある。自分の心と身体が熱量を感じられることを大切にし、多くの人とつながりをつくり続けていこう。

 まちがあるから人がいるのではなく、人がいるからまちになる。コミュニティがあって人がいるのではなく、人のつながりがコミュニティとなっていく。組織のために人を合わせるのではなく、人に合わせて組織を変えていく。

 人と違っていても自分らしくいられること、ぼくらが本当にやりたいことを実行していこう。自分の芯をつくり、他人の考えには流されるなと言ったはずだ。それはこの所信に書いたことすべてにも、無条件で当てはまる。ただし、自分が価値があると信じるものには、全力を注ぎ込んでほしい。

それから、とにかく楽しむことを絶対に忘れてはいけない。

個の集合体が世界だ。合わせなくていい。

革新者として生きていこう。

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